Masaharu Fukuyama Presents

♯.4 「トレーナー・失格」
(FEB/04/04)

 うぅ〜ん、頭を打ってます・・・
これは今に始まった事やなく考えても考えても答えの出ない「イタチごっこ」というのかな・・・
当たり前のことなんやけど、100人の練習生がいれば100通りの観点で自分達トレーナーを見ているんやと思う。それこそ俺らが気づかない角度からもね。
優しく思ってくれるヤツ、怖いと思ってるヤツ、慕ってくれるヤツ、ホントできる限り同じ様に接し同じ想いを伝えたい、そう、自分達の経験を一つでも多く伝えたいと思っているんやけどね。
実際はうまくいかない事も多い。
時には些細な事で練習生を傷つけたり、プロとして気合いを入れる為に言った言葉が逆効果でやる気を失くさせたり・・・
いつまでも「選手時代の気持ちを忘れないトレーナーでいたい」と思っていた。
現役時代少なからず自分が持っていた不満を忘れずにいようと。
月に数度しか来ないマネージャーがたまたま来た時にスパーをしていて、調子が悪かった時「全然なっとらん!進歩なしや!」 と大声でどやされ、心の中で 「あんた俺のええ時のスパー見てないやん!」 と怒り呟いてた事もあった。
でも、時が経って自分も同じ様に思いやりのないトレーナー化してるんやないやろーか・・・
選手に情をかけ過ぎたり、プライベートに入り過ぎてはいけない。選手達にもそれぞれ事情ってのもある。でも時には突き放して自分で答えを出させる事も必要やと思う。
そこへきて自分達の事情は選手達には見せない様にしないといけない。
本当は毎日できるだけ長い時間ジムに入り、もっとコミュニケーションのとれる時間があれば・・と思う。(でも生きて行く為に仕事も手を抜けないし、大事な家族もいるしね)

うぅ〜ん・・・頭打ってます(><)

  「ハートのラブで教えるのよ!!」 あの有名な名トレーナーエディ・タウンゼントさんが良く言っていた言葉。
もちろん自分の師匠は辻本英守さんでボクシングの技術に関して選手達に今伝えているのは辻本さんが自分に言っていた事ばかり。
でもエディさんには自分も忘れられない想い出がある。
10年ひと昔というけど、もうふた昔、20年も前の話(^^)
デビュー戦を1R42秒でKOで飾った自分は二戦目にくしくも同じ1R42秒で豪快にマットに沈んだ。
あれは “浪速のロッキー”赤井さんが連続KO勝ちで人気絶頂の頃の暑い旧大阪府立体育館の夜だった。
あまりにも痛烈なKO負けがゆえに、リング上でグローブやシューズを脱がされ、そんな情けない姿で控室で呆然と立ち竦み、たった一人で泣いていた時のことだった。
「今日という日のために全てを賭けてきたのに・・・」
たった42秒で全てを失い、誰もいなくなった控室で誰かに後からそっと両肩をもたれた。
「フクヤマ、キョウ、シカタナイヨ、コウツウジコヨ、マタツギ ガンバリナサイ!!」
振り向けばエディさんが微笑みながら優しく語りかけ、そしてバンテージを切ってくれた。
あの手、あの言葉、温かかったなあ。
あの夜のエディさんの顔、いまでも忘れられない。いや、忘れてはいけないと思う。
あの一言で悔し涙が嬉し涙に変わった気がしたなあ。
単純な俺はすっかり立ち直ってしまった。 (余談ですが、ホンマに立ち直ったのはその後すぐ控室を出た所に、赤井さんのファンらしき女の子2人が会場で俺の試合を観て「ファンになりました。握手して下さい!」と待っててくれた事なんやけどね(笑))

選手は勝てば何の言葉もかけてやる必要がない、後は友達に任せればいいと思っている。
でも負けた時、倒された時などは、少しでも一緒にいてやりたいと思う。
うちの選手がリングに上がる時、正直いうと怖くて仕方ない。ホンマに自分がリングに上がった方がマシ、気が楽やと思うし本当に胃が痛くなってしまう。
いつも最悪の場面が頭に過る。
自分自身、何度となく負け、倒されてキャンパスを舐めてきた。
でも何度味わおうが、その苦さに慣れることはない。あの悔しさから逃げ出すことも出来ない。
団体競技ではなく、勝つも負けるも自分一人、All or Nothing の世界に憧れてこの世界に賭けてきたが、現実は想像以上に厳しかった・・・
今まだ練習生の奴らもそれらを覚悟してこれからこの道を歩いていかねばならない。
だからジムではできる限りコミュニケーションをとり、時には厳しく、時には冗談を言いながら向かい合って来たつもりだった。
でも実際はできてないんよね・・・
色んなすれ違いや勘違いがある事も確かなんよね。
最近つくづくそう思ってきた。マズイなぁー、もっと優しく順を追って教えてやらなアカンなって。
昔、赤井さんのドラマで 「人間・失格」 ってのがあったな・・・
「トレーナー・失格」 かな、と思えてならない今日この頃。
でも今、いい機会なんで自分自身を見つめ直してみることにした!
師匠・辻本さんの厳しさ、エディさんの優しさ、選手時代に自分が抱いたトレーナーに対しての希望そして不満。  ・・・しっかり見つめ直したい。

 今はまだ …maybe 「トレーナー・失格」 (+Q+;)
でもこれからは色々と考えを改めて 「目配り、気配り トレーナー業」 といきたい!!
だから江坂ジムのプロそして練習生、これから入ってくる人達!

これからもよろしく(^^)Vな!!!


押忍

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”兵庫県文化賞受賞パーティ”
H.16.2.6(Wed)
(前列左より 日本ミドル級王者・荒木慶大(泉北)、荒木夫人、
K−1Japan 富平選手、女子プロキックボクサー 昴選手
後列左より 福山正治、BOSS 江坂ジム会長 辻本章次)
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